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大嵩禮造 グラスボックス

幾何学的抽象の世界

 大嵩禮造の代名詞とも言える「グラスボックス」を中心に、大嵩先生の抽象画の魅力を改めて辿る展示です。
「グラスボックス」シリーズ(68~78 年)は1968 年から始まった、ガラスの無機質さ、冷たさ、鋭さを表現した作品群です。直線的な線で構成され、白と青の制限された色によって空間を表現する「グラスボックシリーズ」は、大嵩作品初期の代表的なシリーズと言えます。
 大嵩は風土が作品に大きく影響すると考えていました。このシリーズで「自身に流れる熱く燃える薩摩の血と対極にある『冷たさ』を探ろうとした。」と大嵩は述べています。それは直線やハードエッジの冷たさを追求することで自らの血のアイデンティティを確認する作業でもありました。そして大嵩の狙いは強靭な構築と緊張感の確立にあり、グラスボックス後期には、単一空間に具体的なもの(十字架等)を配することで、画面の奥行きと新しい緊張感の表出を試みようとしました。この具体的なモチーフの導入以降、具象を幾何学的に捉え単純化したり、グラデーションの代わりに日本的なぼかし、ペンチングナイフを使用したひだ状のマチエールなどの表現方法を試しながら、純粋な抽象絵画から具象化へのシフト(「ポルト・ド・サンクルー」「ピカデリー・サーカス」など)が進みました。これら一連の作品群は、当館の大嵩禮造所蔵作品の根幹をなすものであり、大嵩作品を理解する上で類を見ない質量を誇っています。
 また、大嵩禮造の代表作「花の碑」をはじめ、大嵩先生の抽象画の原点とも言える「碑(いしぶみ)のシリーズ」も供覧します。白色に拘り乾いた世界を追求した、大嵩の原点とも言える堅固な構図の抽象画です。この作品群には、師の海老原喜之助から激賞されたものが含まれています。
 大嵩禮造が20代〜40代にかけて切り拓いた抽象絵画の堂々たる世界観をどうぞお楽しみください。

児玉美術館 創立40周年記念企画展

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