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春風のキャンバス

収蔵品企画ーまなざしの女性像ー

 本展では、同時代を生きた男性作家6人の視点を通して、多様に描かれた女性像をご紹介いたします。
 女性という普遍的な存在は、作家それぞれのまなざしや記憶、感情によって、時にやわらかく、時に鋭く、あるいは内面へと深く沈潜するかたちで表現されてきました。

 文田哲雄は、瑞々しい感性で少女像を描き出し、純真さの中に潜む繊細な心の揺らぎを映し出します。今村幸生は、現実と幻想の狭間を行き来するようなシュールな女性像により、見る者の想像力を喚起します。山下三千夫は、自身の母をモチーフとすることで、個人的記憶と普遍的な母性像とを重ね合わせています。

 また、庵跡芳昭は、パステルによる確かな描写で女性の存在を明晰にとらえ、具象表現の魅力を改めて提示します。大嵩禮造は、あえて顔を描かない抽象的な手法により、女性の気配や存在そのものを象徴的に浮かび上がらせます。さらに木下貴雄は、舞台の華やかさの裏側にある静かな時間――楽屋でうなだれるバレリーナの姿を通して、女性の内面に迫ります。
 六者六様の表現が織りなす本展は、「女性を描く」という行為そのものを見つめ直す機会となることでしょう。

 春のやわらかな光とともに、多彩な眼差しが描き出す女性像の世界を、どうぞごゆっくりご鑑賞ください。

庵跡芳昭 今村幸生 大嵩禮造 木下貴雄 文田哲雄 山下三千夫

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